船舶時計


船舶時計について

船舶時計

 

船舶時計とは船に載せて使う、あるいは、船上の雰囲気を楽しむために船に載せて使う時計を模した時計のことです。

 

船上で使われる時計は、その使用目的と環境に由来する特徴があります。

まず形は、比較的小型でまるいものです。これは水上において防水性が求められることからであろうと思っています。

 

また、船の航行を司る場所で実際に使われていた時計は、安定した精度が必要なため、デテント式脱進器やそれに準ずる高精度な脱進器を備える一方、動力の伝達にムラができる報時装置はありません。つまり、ゼンマイを巻くカギの穴は一つだけになります。

 

これとは別に、船上で活動する乗組員の生活のために使われていた、あるいは、それを模した船舶時計があります。それは、

3交代制で働く船員のために、4時間を1周期にした時計です。1時にタンタンと1セットの連続音が鳴ります。この正時になる音は、4時にタンタン、タンタン、タンタン、タンタンと連続音が4セット鳴るまでは規則的に1時間ごとに1回づつ増えます。

 4時間が1周期なので、5時には、1時と同様に1回の連続音、8時まで1回ずつ連続音が伸びていきます。3周期目に当たる9時から12時までも同様です。

 正時の音がタンタン(キン、コン)という連続音であるのは30分のタンの単音と区別するためで、1時30分には、タンタンという連続音の後にタンと単音が鳴ります。2時半だとタンタン、タンタン、タンとなります。

4時に鳴るタンタン、タンタン、タンタン、タンタンという鐘の音、あるいは、この鳴らし方を八点鍾と呼ぶようです。

 

お問い合わせ